Radiograph

頸椎前後屈撮影 Cervical spine hyperflexion and hyperextension view

English ver.
Radiopaedia

【撮影目的】
むち打ちの除外や脊椎固定術後の経過観察。
関節リウマチの観察。
気管内チューブ挿入のための頸部の動き確認。
椎体の可動域、椎弓の変位、椎管腔の狭小および拡大、脱臼・亜脱臼の観察。

【撮影前の確認事項】
前後屈することで頸部を損傷する可能性もあるため、医師の指示に従う。
障害陰影となるものを外す。
(髪を束ねれている場合は解く、ネックレス、補聴器、ピアス、ヘアピン、湿布、ホッカイロ等)

【ポジショニング】

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C_spine_flexion06b
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座位もしくは立位。カセッテに側面をつけて姿勢を安定させる。
体の捻れがないように、矢状面と受像面を平行にする。
首が曲がっていないか正面から確認する。
第4頸椎(喉頭隆起)が中心となるようにカセッテの高さを合わせる。
両手は椅子をつかみ、両肩を下げる。
前屈 : 背中を前に倒さずに、顎をできる限り胸に近づける。
後屈 : 背中を後ろに倒さずに、顎をできる限り上げて後頭骨を背中に近づける。

【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:第4頸椎(喉頭隆起)の高さで頸部の前後中心に向けて水平入射。
撮影距離:100~150cm
照射野:上下は外耳孔~第7頸椎棘突起が含まれる範囲とする。左右は皮膚面まで広げる。
患者は動いてしまうことが多いので、患者を良く観察して動いていない時に曝射スイッチを押す。撮影条件はあらかじめ設定しておく。

【撮影条件】
74kV / 16mAs
グリッド ( + )
最大呼気で停止。

【画像・チェックポイント】
正常例 (Radiopaedia)
正常例 (wikimedia)

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画像がブレていないこと。
外耳孔~第1胸椎(可能であれば第2胸椎)が観察できること。
第4頸椎が高さの中心となっていること。
頸部に捻じれが無く側面性が保たれていること。(椎体の上・下関節突起、椎体・下顎角で判断)
椎間腔が広く観察できる。
左右の椎間関節が重なっていること。
棘突起が側面で観察できる。
前屈では棘突起の間隔が広く観察でき、後屈では棘突起の間隔が狭く観察できる。
軟部組織が観察できること。

【動画】

【関連資料】
解剖