胸部側面撮影 Chest lateral view
【撮影目的】
気管、大動脈、心臓、胸骨、肺野、横隔膜、後部肋骨横隔膜角の観察。
検査目的に依るが通常はRL方向で撮影し、心臓の拡大を最小限にする。
【撮影前の確認事項】
正面PA撮影の画像から側弯の有無を確認しておく。
障害物となるものを除去する(ネックレスなど)。
【ポジショニング】
左側をカセッテ密着させた立位。
冠状面をカセッテと垂直にする。
カセッテの高さは正面PA撮影と同じ(上縁は肩関節から5cm上)。
マーカー(R→L, L→R)を置く。
両腕を十分に挙上して、肺野上葉にかからないようにする。
軽度前傾し、顎を上げる。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:体幹部の中心、かつ肩甲骨下縁の高さ(リラックス時)に垂直入射。
撮影距離:200cm
照射野:肩甲骨下縁を中心として、肋骨弓下縁まで広げる(正面PA画像から大まかに後部肋骨横隔膜角の位置を把握しておく)。
【撮影条件】
120kV / 8mAs ※心臓の拍動による影響を最小限にするため、可能な限り撮影時間を短くする(mAを最大)。
グリッド ( + )
最大吸気
【画像・チェックポイント】
正常例 (Radiopaedia)
肺野が上下、左右で欠けていないこと。
両腕と顎が他の構造物と重なっていないこと。
椎体が接線で投影されていること。
心臓に重なった肺門理が観察できること。
最大吸気で撮影されていれば横隔膜の上に後肋骨が10本観察できる。(もしくは正面PA撮影の画像と並べて横隔膜の位置を比較する)
カセッテから遠い側の後肋骨、肋骨横隔膜角は拡大されてわずかに後方に投影される。
ブレがないこと。
【動画】
【関連資料】
















とてもわかりやすく、いつも拝見させていただいております。
側面像の表示について疑問があります。RL撮影でも表示は左向き(LRっぽく見える)にするのはなぜでしょうか?
私は側面は全部左向きだと思っていたのですが、最近、腰椎の撮影で若い子に「逆です」と言われて不安になりました。もしご存知でしたらご教授ください。
質問文の解釈を間違えていたらすみません。
胸部側面撮影・腰椎側面撮影にてRL方向で撮影しているにも関わらず、表示はLR方向に見える向き(患者を左側から観察している向き)にするのはなぜか?という質問と捉えて以下のように回答します。
一般的には側面像は患者を左側から観察している向きで画像を表示します。これは慣習でもあり、Drもその向きで読影する訓練を積んでいるためと思います。また、それに倣ってCT画像、さらにはMRI画像のSagも同じ向き(脊椎が右側にくる)に統一します。一方で、RadiopaediaやGoogle画像検索でchest lateral radiographと検索してみると、逆向きの画像も多く見られますので、Drおよび施設の考えによるとも言えます。
関連する情報源を以下に示します。
【1】医用放射線科学講座8 放射線画像技術学 医歯薬出版株式会社
1.3.1 解剖学的体位
~略~
X線写真を観察する場合は, 撮影時のX線入射方向が患者に対して後前方向であるか前後方向であるかにかかわらず、患者が解剖学的体位にて観察者の方向を向いているようにシャウカステンにかけるのが基本である。ただし、手および足のX線写真は例外的に指先および趾先が上になるように観察する。
これらの原則に従い、検査部位の左右を正しく示すため、X線写真撮影時にフィルムに写し込む鉛マークは、観察時に正しく読み取れるよう、位置と向きに注意しておかなければならない。
【2】救急放射線診断のABC メディカルサイエンスPインターナショナル
CHAPTER15 胸椎と腰椎
~略~
側面像は、患者が右を向いているように撮影されるべきである(CTやMRIの撮像に合わせて)。