※洋書と和書では異なる撮影法で書かれていることが多い(和書に多い撮影法)
<中間位>
【撮影目的】
中間位は外傷で腕を動かすことができない患者に有効。
肩甲上腕関節(肩関節)の観察に優れ、筋肉・腱・関節内のカルシウム沈着やその他の変性疾患の有無を観察する。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
カセッテに背を向けた立位または座位。
検側の手のひらを大腿部につけ、上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶ線をフィルムに45°とする。
顔にX線が当たらないように非検側を向く。
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩甲上腕関節に向けて垂直入射。
撮影距離:100cm
照射野:下は肩甲骨下角、左右は鎖骨の2/3が含まれる範囲。
【撮影条件】
呼吸停止。
リス(+):70kV・20mAs
リス(ー):60kV・32mAs
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
大結節と小結節の映りは、内旋位と外旋位のX線写真の中間の位置関係になる。よって、大結節は外側に、小結節は内側にそれぞれ上腕骨頭に重なって投影される。
上腕骨の近位1/3、肩甲骨全体、鎖骨遠位3/2が含まれている。
石灰化の評価が可能となるように、軟部組織が観察できる寛容度。
【動画】
【関連資料】
整形外科領域における四肢⼀般撮影のコツ〜機能解剖学からのアプローチ〜
<外旋位>
【撮影目的】
正面像に対して大結節の観察に優れる。
肩甲上腕関節(肩関節)の観察に優れ、カルシウム沈着やその他の病変の有無を観察する。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
カセッテに背を向けた立位または座位。
検側の肩関節を外旋し、上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶ線をフィルムに平行とする。(最大外旋位の場合は可能な限り外旋する)
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩甲上腕関節に向けて垂直入射。
撮影距離:100cm
照射野:下は肩甲骨下角、左右は鎖骨の2/3が含まれる範囲。
【撮影条件】
呼吸停止。
リス(+):70kV・20mAs
リス(ー):60kV・32mAs
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
大結節が接線で投影され、小結節は上腕骨頭の前方に重なって投影される。
【動画】
【関連資料】
<内旋位>
【撮影目的】
中間位に対して小結節の観察に優れる。
肩甲上腕関節(肩関節)の観察に優れ、カルシウム沈着やその他の病変の有無を観察する。
【撮影前の確認事項】
骨折、脱臼の有無。疑われる場合、腕を動かしてはいけない。
障害陰影となるものを外す。
【ポジショニング】
カセッテに背を向けた立位または座位。
検側の肩関節を内旋し、上腕骨内側上顆と外側上顆を結ぶ線をフィルムに垂直とする。(最大内旋位の場合は可能な限り内旋する)
【X線入射点・撮影距離・照射野】
入射点:肩甲上腕関節に向けて垂直入射。
撮影距離:100cm
照射野:下は肩甲骨下角、左右は鎖骨の2/3が含まれる範囲。
【撮影条件】
呼吸停止。
リス(+):70kV・20mAs
リス(ー):60kV・32mAs
【画像・チェックポイント】
正常例(Radiopaedia)
大結節は上腕骨頭の前方で重なって投影され、小結節は内側で接線に投影される。
【動画】
【関連資料】
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